DJ TSUYOSHI インタビュー ターンテーブルとコントローラー、異なるスタイルでのスクラッチプレイについて
イケシブ内の期間限定Pioneer DJ POP UPストア内でDJ TSUYOSHIさんによるインストア DJ Playが行われました。
通常のクラブプレイだけでなく世界レベルのスクラッチプレイが惜し気もなく披露され、その圧倒的なパフォーマンスに店内の人々も足を止める光景が見られ、DJ TSUYOSHIさんの存在感が際立つインストア DJ Playとなりました。DJ TSUYOSHIさんありがとうございました!
そしてDJパフォーマンスの後、Power DJ’sからDJ TSUYOSHIさんにDJ機材についてインタビューを行う機会を得ることができましたので、ここにその内容を紹介いたします!
DJ TSUYOSHIさんご自身のDJ経歴やターンテーブル、DJコントローラーなどの機材について、そしてこれからスクラッチプレイにチャレンジしたい方へのメッセージを語っていただきましたので、ぜひ皆様ご覧ください!(以下敬称略)
【DJ TSUYOSHI(DJツヨシ)プロフィール】
スクラッチ歴10年以上。スクラッチDJの神様と言われるq-bertや、d-stylesなどに影響を受け、高校生の時にターンテーブルを購入、スクラッチを始める。
2005年には、スクラッチDJバトルの登竜門「no tricks dj battle」VOL3 のchampion、翌年2006年には、オンラインスクラッチバトル「第2回UNKNOWN DJ BATTLE」第2位になる。
また、turntable+MPCバント「humanrhythm」の一員としてスクラッチとMPCの演奏のみで構成されたファーストアルバム「jam」をリリース、実験的な音楽を世に送り出した。
そして、2016年スクラッチのオンラインバトルの世界大会であるIDA SCRATCH BATTLEにて日本代表として参加。2020年には世界大会優勝という結果を残す。
現在も、試行錯誤を重ねながらスクラッチミュージックを続けている。
聞き手:Power DJ’渋谷 一柳
Power DJ’s 一柳(以下、一柳):今日は弊社イケシブでのIN STORE DJを行って頂きありがとうございました!
イケシブのLIVEイベントスペースはギターショップと併設しているのでお越しいただいた御客様がTSUYOSHIさんのPLAYに聞き入っていましたね。
DJ TSUYOSHI:あまりこういった場所でDJをする機会がないのであれで良かったかな?と不安ですがそう言って頂けてありがたいです。
一柳:それでは本日はTSUYOSHIさんに色々な事をインタビューさせて頂ければと思っています。本日は宜しくお願い致します。
DJ TSUYOSHI:宜しくお願い致します。
一柳:早速ですが、TSUYOSHIさんがDJ始めたキッカケって何ですか?
DJ TSUYOSHI:DJ始めたキッカケは日本のHIPHOPを高校生ぐらいの時に聞いていて、その聞いている曲の中にスクラッチの音が入っていて、何だこれ!って衝撃を受けたのは最初ですね。
一柳:日本のHIPHOPや日本語RAP楽曲の中のスクラッチサウンドがキッカケになったのですね。良ければお伺いしたいのですが、当時はどんな曲を聞いていらっしゃたのですか?
DJ TSUYOSHI:KICK THE CAN CREWやRIP SRYMEに始まりキングギドラなどの音楽を聞いていって…日本語RAP自体は好きで沢山のラッパーの曲も勿論聞いていました。
一柳:なるほど、そういった音楽を聴きながら、最初からスクラッチに興味を持たれていたのですね。TSUYOSHIさんはDJを始める時、最初にどのようなDJ機材を選んだのですか?
DJ TSUYOSHI:最初に選んだDJ機材ですか……最初DJ機材を買ったのはPowerDJ’s渋谷店でTechincs SL-1200MK5とSH-EX1200のDJ SETを購入しました。お店に行った時に店員さんに、スクラッチを始めてみたいと伝えたら、お店の店員さんがスクラッチを見せてくれて最初に生で見たスクラッチはその店員さんのスクラッチが最初です。
一柳:弊社STAFFのスクラッチが最初に見たスクラッチなのですね!それは御見苦しい物をお見せしました(笑)弊社のSTAFFはちゃんと対応していましたか?
DJ TSUYOSHI:はい、ちゃんと対応して頂きましたし仲良くなりました。今でもお友達としてお付き合いさせていただいています。
一柳:それは良かったです!安心しました!
一柳:引き続きお伺いしたいのですが、TSUYOSHIさんが出場されて昨年優勝されましたIDAという大会について教えてください。
DJ TSUYOSHI:はい、IDAという大会はPolandが主催国の大会で「ScratchCategory」「TechnicalCategory」「ShowCategory」という3つのカテゴリーから成り立っています。日本でも各カテゴリーのチャンピオンを決めて、そのチャンピオンがWORLD FINALに出場して世界でBATTLEするという大会です。私が出場したcategoryは「ScratchCategory」で、このコロナ禍の影響もあって全てオンラインで審査員が毎回ジャッジする形で進行していきました。
一柳:どのくらいの人数が出場されているのでしょうか?
DJ TSUYOSHI:全体では30人くらいでしょうか……最終的に私が出場したScratchCategoryは10人ぐらいだったと思います。
一柳:TSUYOSHIさんはScratchCategoryでの出場を目指して練習を重ねていったのですね。IDA大会に出場するキッカケは何だったのでしょうか?
DJ TSUYOSHI:出場するキッカケはフランス人DJのR-ASHというDJがDJ宮島さんの所に遊びに来ていて一緒にスクラッチセッションしよう!という事になって呼ばれて遊びに行ったのです。そしたら遊んでいる時にR-ASHさんにIDAという大会があるから出てみれば?って背中を押して貰った事がキッカケですね。
一柳 :そんな出会いがあったのですね。そしてそんなTOP DJ達がスクラッチセッションしている所なんてとても贅沢な空間ですね!
DJ TSUYOSHI:はい、宮島さんにはいつもお声がけ頂けているので有難いです。
一柳:そういったセッションしてお互いに研磨するのも大変な練習ですけど、TSUYOSHIさんがスクラッチを練習する上で大事な事って何ですか?
DJ TSUYOSHI:スクラッチを練習する上では…なんですかね?毎日コツコツと練習を積み重ねる事だと思います。寝て起きて急に上手くなっている、出来る様になっているわけでないので。
一柳:やはり日々の積み重ねが大事なのですね。TSUYOSHIさんはDJ活動をスタートしてから何年目になりますか?
DJ TSUYOSHI:16?17歳くらいからだからなのでもう15年近く経っていますかね。
一柳:それだけ毎日やり続けるのってすごいですね!
DJ TSUYOSHI:毎日ではないですよ(笑) 私も一旦ターンテーブルから離れた瞬間はあったので。今は出来る時には5分~60分ぐらいです。
離れていて戻ってから強く感じましたが、やはり触っていないと指や感覚が鈍くなってきます。取り戻すのに時間はかかりましたし。昔は飽きるまでずっと触っていましたけどね。
一柳:なるほど、少しづつでも毎日ターンテーブルに触れるのは大切な事なのですね。ところで少しマニアックな質問ですが、TSUYOSHIさんはスクラッチされるときにフェーダー側とターンテーブル側の手のどちらを意識されていますか?どちらが利き手になりますか?
DJ TSUYOSHI:利き手は左です。私はターンテーブル側が利き手になります。やっぱりターンテーブル側の感覚が大事ですね。フェーダー側の切る動作とかは慣れれば後からついてくるので。
一柳:スクラッチをスタートする時に皆が一度は考える事だと思って聞かせて頂きました。参考になりますし、これからDJでスクラッチを行う人には貴重な御話ですね。
一柳:今日のイベントではターンテーブルSETとDJコントローラーで行って頂きましたが、それぞれの特徴などPLAYをする上で違いは感じますか?
DJ TSUYOSHI: 違いですか?私はターンテーブルでスタートしたので違いは勿論感じます。でも今はターンテーブルSETとDJコントローラー、両方使っているので違和感なく使えています。コントローラーはターンテーブルSETと違ってコンパクトですし、慣れてしまえば簡単に色々出来るのが良い所ですね。置く場所も取らないし、今キャンプとか流行っているじゃないですか。そういった場所で持って行く事も出来るので便利だと思います。
一柳:ターンテーブルSETはどうですか?
DJ TSUYOSHI:コントローラーと違って大きいですし、ターンテーブルとDJミキサーがそれぞれが単体機として存在しているので、DJをやっている方も見ている方も「今まさにDJプレイをしている」感は強いのかなと思います。見栄えがすると言いますか……。
一柳:確かにそれは感じますね。これからDJを始める方にはどちらがオススメですか?
DJ TSUYOSHI:これから始めるのであればどちらでも良いと思います。どちらにも良い所はありますので。ただ、始める上であまり安いコントローラーで始めるよりは中~高価格帯のJOGの大きいコントローラーでスタートするのは良いと思います。
付いている機能もMIXERの部分も慣れてしまえば後々DJ SETを購入した後も違和感なく使えると思います。私が使っているDDJ-1000SRTはMIXERの部分も独立したMIXERと大差ないので普通のDJ SETでPLAYしている感じでDJ出来ますしね。
一柳:今はDDJ-400とか3万前後のコントローラーでDJを始める方が多いので、初心名の方が機材を選ぶ参考になるかと思います!貴重な意見をありがとうございます。
今日は一日、弊社のイベントとインタビューとありがとうございました!
DJ TSUYOSHI:こちらこそありがとうございました。
DJプレイ中はその超絶テクニックとストイックな佇まいで見る者を魅了したDJ TSUYOSHIさんですが、直接インタビューを行いますとトップDJが皆さんそうであるようにテクニックの習得に対して妥協が無く、わかりやすく言葉を選びながら質問に答えてくださるとても温和な雰囲気を持った方でした!
DJパフォーマンスをどうやって身につけていくか、練習にどう向き合うべきかなど、ジャンル関係なくとても参考になるお話を伺うことができました。DJ TSUYOSHIさん、また機会がありましたらご出演をお願いいたします!
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DJ TSUYOSHIさんが本日のイベントで使用された機材は下記になります。Power DJ’sにて大好評発売中です!
Pioneer DJ
DDJ-1000SRT
Pioneer DJ
PLX-1000
Pioneer DJ
DJM-S11
タグ: DJM-S7, DJ TSUYOSHI, DJM-S11, PLX-1000, PLX-500