Gibson モンタナアコースティックファクトリー訪問中!!

こんにちは!ハートマンギターズ安広です。

45

今私は、ギブソンアコースティックのモンタナ工場に取材と完成品選定のために来ております。

本日はファクトリー内を見学をしてまいりましたので、その様子をまずは当ブログにていち早く皆様にお届けしたいと思います!
モンタナファクトリーの暖かな雰囲気が伝われば幸いです。

成田から飛行機でおよそ12時間
ボーズマン空港は改装されたばかりで綺麗です。

モンタナは北端をカナダに接する北西部の州で、今は日中で気温が22度前後と
大変過ごしやすい気候です。

時差は9時間なので日本とほぼ真逆です。

11

22

街はシックで歴史を感じさせ、非常にゆったりとしていました。

3

4

既に閉まってましたが、楽器屋さんもありました。

ちなみにこのお店、かなり有力なディーラーさんなんですよ!!

ギブソンモンタナ工場は看板も無く、割とこじんまりとした印象です。

5

内部も「ギブソン」の有名度にしては手狭な印象です。
応接室で透明な防護メガネを渡され、「メガネは外さないでね」「許可なく物に触らないでね」という安全のためのルールが伝えられ、ツアーが始まりました。

今回はこちらのベテラン職人のジェイソン・ジョーンズさんに案内してもらいます。

6

まずは「リソウ」というブースです。

リソウ~Re Saw~とは「もう一度のこぎりをかける」という意味との事で、こちらでは2、3週間分のトップ用のシトカ・スプルースやサイドバック用のローズウォルナット、ネック用のメイプルなどの木材がシーズニングされております。

7

8

Photo

ここではブックマッチのトップ材の接着や、シックネスサンダーで厚みの調整も行っています。

厚みは材に限らず一定にしているとの事。

【ブックマッチ作業】

10

【シックスネスサンダー】

11_2


なお、トップ用のシトカ・スプルースは3Aから1Aまでが用意され、すべて北アメリカ産かカナダ産で、ヨーロッパ産は使いません。

お値段抑え目のモデルに1Aグレードのものを使い、2Aと3Aではグレードに殆ど差はないですが、サンバーストに塗装する時は2Aのシトカ・スプルースを使うそうです。

リソウの次はトップ・バック材のスーパーマーケットと呼ばれるブースで、きちんと整理された木材が棚に納まっているので、すぐに必要な木がどれかわかるようになっております。

【ボディ材のスーパー】

12


ミスティック・ローズウッドや綺麗なコア材もありました。

【ミスティック・ローズウッド】

13

お次はネックのセクションです。

こちらの機械でネックを大まかな形に切り出しトラスロッドを入れ、マホガニーのフィラーで蓋をして、天板を貼り、ヘッドの形を削りだし、インレイを入れます。

【ネックNC】

14nc

【ヘッドNC】

15nc

【ヘッドインレイ】

16

インレイ用の引き出しにパラレログラムやクラウン、ギブソンロゴ、エバリーブラザーズ用の星などたくさんのインレイが入っていました。

【インレイストック】

17

続いて指板とネックを接着するのですが、5ミリ四方くらいの小さなプラスチックのノブを指板とネックの向かい合う位置に開けた穴に入れ、ずれないようにガイドにしています。

フィンガーボードにアールをつけ、サイドのポジションマークを入れモデルによってバインディングをします。

【指板アール加工】

18

【指板バインディング】

19

ネックのセクションのあとはサイド材です。
サイド材のスーパーマーケットから必要な木材を取り出し水につけます。(以前は柔軟剤も使っていたそうですが変色などの問題により使わなくなったとの事です)
なお、水につける時間はマホガニーで15分ほどローズウッドは油が多いから1時間だそうです。

【サイド材スーパー】

20

【サイド材の水つけ作業】

21

モデルによってサイド材の曲げ型が決まっており、木材を入れて時間が来ると自動的に開きます。
写真はJ-45用ですね。

【J-45サイド曲げ】

22_j45

【サイド完成】

23

サイド材を25分ほど接着圧着し、しばらく固定した後スパニッシュシダーのライニングをつけます。
ライニングはモデルによってシダーだったりマホだったりするようですが、どのモデルがどう、というところは教えてもらえませんでした。

【サイド圧着】

24

続いてブレイシングです

この型を用いてシトカ・スプルース材のブレイスを配置し、その後圧着します。

ブリッジプレートはメイプルです。

赤く見えるプレートの下で、均等の重さをかけられたトップ材が圧着されてます。

【ブレイシング用プレート】

25

ちなみに以前は棒を使って圧着していたのですが
接着具合にムラが出来るので今の方法に改良されたとの事でした。

【昔のブレース接着の様子】

26

なお、ブレイシングは6弦を弾くと6弦側のトップが、1弦を弾くと1弦側のトップ材が振動するように計算の上配置されているので、レフティだと鏡写しで反対になります。

そしてサイド・バック・トップが組み合わせられ、ブリッジ取り付けようの目印の穴が打たれます。

【サイド材とバック材の接着】

27

【トップ材とバインディングの接着の様子】

28

【ボディ仕上げ】

29

そしてジョイント部を丁寧に確認しながらサンディングし、前後左右中心が真っ直ぐにネックがボディに合うように確かめたらジョイントします。

【ボディとネックの合体】

30

いよいよギターの形になってまいりました!

次に案内されたのがピックガードを作るブースです。
こちらの女性が集中してピックガードを作成しておりました。

【ピックガード製作】

31

ハミングバードのピックガードもこの方が作っておりました。

次に塗装のブースです

この方はサンバーストを吹く達人、バンさんです。
長年ギブソンのトレードマークとも言えるサンバーストカラーを支えております。

【この方がバンさんです】

3_2

この後ラッカー塗装を吹くのですが、7回薄く吹いた後トップをサンディングし、一晩程度乾かしてからもう3回、15分おきに吹き、その後3、4日乾燥させます

【塗装乾燥中】

Photo_2

塗装が完了したら傷やクラックを厳しくチェックします。
ここで40から50%のギターが一旦前のセクションに戻され再調整や修繕が施されます

【慎重にキズをチェックしています】

Photo_3

ここまでの過程を無事パスしたギターは次の「プリセットアップ」という部門に送られます。

ここは湿度が40%に保たれた部屋で、トップの塗装の研磨とブリッジの取り付け、その後にサイドバックの塗装の研磨が行われいます。
画像の半透明の定規はブリッジが真っ直ぐついているかサドルの位置を図って確認するためのものです。

【トップ塗装サンディング】

Photo_4

【ブリッジ接着の様子】

Photo_5

サイドバックのバフの部屋は髑髏マークが着いており、入れてもらえませんでした。
外部の空気が入り繊細な作業が邪魔されることを防ぐためです。
ここから出ると、ギターは全体がつるつるのグロス仕上げに生まれ変わります。

【バフルーム入り口。ドクロマークが行く手を阻みます。。。】

Photo_6

なお、トップのバフは800番手から1000番手の細かさで掛ける、と、こだわりがある様子。
また、ブリッジはトップコートを熱した後、薄く剥がしてそこにトップにめり込む形で接着しますが、その時に削られたトップコートの一部をいただいたので欲しい方は先着一名で差し上げます(笑)

なお、ギブソンのギターのサドル下、両サイドの穴はこのときにブリッジ位置を固定するためのものです。

【クランプでサドルを圧着中】

Photo_7

プレセッティングルームから出てきたギターはPLEK~プレック~でフレッティングされ、マシンヘッドを取り付けられ最終的なチェックが完成すると、おなじみのチェックシートが添えられ出荷されます。

【最近導入されたマシーン「プレック」】

Photo_8

【完成間近のJ-45】

40j45

【チェックが完了したギター】

Photo_9

このブースではサウンドチェックの際のギターの音が聞こえ、完成間近の特別な緊張感が漂っていました。

すっかり出来上がったギターを見ると、感慨深いものがあります。

ここまでで本日のファクトリーツアーは終了です。

一本のギターが出来るまでに様々な人の手に触れることで魂が入る、それがギブソンのギターなのだとファクトリーの方がおっしゃっていました。

全員が目前の事に集中力をいかんなく発揮し、それでいて従業員の皆様が私たちに対して非常にフレンドリーに接してくれました。

そんな人間味のあふれる工場だからこそ、ギブソンのあの唯一無二の音色が生まれ出るのでしょう。

現在モンタナファクトリーでは日産95本ほどのギターが作られております。
その一本一本に機械には無い人間らしい「情」が感じられるのです。

それは土地柄、人柄の為せるものでした。

ここに来るとギブソンが大好きになります!

その気持ちがこの文章で少しでも伝われば幸いです。

明日はサンバースト塗装実演と、完成品現地選定の予定です。
また明日もレポートいたしますのでお楽しみに!

ではまた明日お会いしましょう!

~おまけ~

ピックガードの標本

Photo_10

プリセットルームに貼ってあったストレッチマニュアル

Photo_11

以前レン・ファーガソン氏が使用していた部屋

いわゆるカスタムショップルーム。

現在もジェイソンさんや、以前紹介した女性職人ヴァレリーさんがインレイワークなどの作業をここで行っております。

Photo_12

では!